氷河期を今に伝える深泥池(みぞろがいけ)の浮島にミツガシワの白い花。 桜前線は衣笠(きぬがさ)の平野神社から鷹峯の常照寺(じょうしょうじ)、西賀茂の神光院(じんこういん)へ。 花傘に花の精を集めて疫(えき)神詣でのやすらい祭は、 「やすらい花や」の囃しで知られる京都市指定無形民俗文化財です。 上賀茂大田(かみがもおおた)の沢にカキツバタが紫の花をつけ、 葵祭の行列が加茂街道を上賀茂神社に向かいます。 夏、送り火の頃――。 蝉時雨(せみしぐれ)がこだまする船岡山。 人々は涼を求めて賀茂の河畔に出かけます。 盂蘭盆会(うらぼんえ)の大文字五山送り火(だいもんじござんおくりび)は、京の夏の風物詩。 西賀茂の船山と大北山の左大文字に精霊を見送ります。 秋、紅葉の頃――。 鷹峯の光悦寺(こうえつじ)に萩が咲き乱れ、ついで紅葉に包まれます。 小野の岩戸落葉(いわとおちば)神社のイチョウも黄葉にもえる頃になると、 北山はもう冬支度。
賀茂川堤にユリカモメが姿を見せると、 やがて北山時雨が音もなく町を流れて行きます。 金閣寺(きんかくじ)の雪化粧は絶景です。 小野や氷室(ひむろ)、雲ヶ畑(くもがはた)などの山あいは一面の銀世界。 そして年が明け、上賀茂に「幸在(さんやれ)」の囃し声が巡る頃、 人々は春の足音を聞くのです。 |
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